2011/04/15 01:11:56
ギャンブルにはまる心理
世の中にはギャンブルの世界に身を投じてしまい、借金に追われる人生を送る人もいます。そこまではいかなくても、あなたの身近な人にギャンブル好きはいませんか?
今回は、人はなぜギャンブルにはまってしまうのか、ということを心理学的に見ていこうと思います。
さて、ギャンブルにはまる理由を説明する前に、学習心理学のオペラント学習とレスポンデント学習というものを知っておいてほしいと思います。
まず、レスポンデント学習ですが、これを説明するには”パブロフの犬”が一番です。大学の一般教養の授業で心理学をとった方や心理学に興味があっていくつか心理学関連の書籍を読んだ方は聞いたことがあるかもしれません。
パブロフという学者が犬を使って実験をしたのでそう呼ばれています。実験の内容ですが、犬にエサを与えると同時にベルを鳴らすということを何度も繰り返しました。
そうすると、犬はベルの音を聞くだけで唾液を分泌するようになります。犬はベルが鳴るとエサがもらえるということを学習したのです。こういった学習をレスポンデント学習と言います。
次に、オペラント条件づけですが、今度は犬の代わりにネズミに登場してもらいましょう。スキナーという学者は、レバーを押すとエサが出てくる装置を設置した箱の中に、空腹のネズミを入れてその行動を観察しました。
はじめのうちネズミは箱の中をただグルグルと動き回るだけです。そのうちに偶然レバーに触れてエサがもらえます。
そして、ぐるぐる回ってはレバーに触れてエサがもらえるということを繰り返しているうちに、「レバーを押せばエサがもらえる」ということを学習します。
一度学習すると、いったん箱から出して時間をおいた後に再び箱に入れてもレバーを押すという行動をとります。こういった学習をオペラント学習といいます。
ここからの説明がギャンブルにはまる理由を説明する際に重要になってきます。オペラント学習の実験にはさらに追加があります。
レバーを押せば必ずエサがもらえるグループと、レバーを押しても必ずエサがもらえるわけではないグループの2種類を用意しました。
レバーを押しても必ずエサがもらえるわけではないグループのネズミも、「レバーを押せば時々エサがもらえる」ということを学習します。
レバーを押すことを学習した後に、両グループともレバーを押してもエサを与えることを一切やめました。
すると、必ずエサが出てきていたグループのネズミは「もうエサが出てこないんだろう」とあきらめてレバーを押さなくなったのに対し、レバーを押してもエサがもらえなかったことがあるグループのネズミは「今度こそは」とレバーを押し続けました。
もうおわかりですね?ギャンブルはいつも当たるわけじゃないから、はまってしまうのです。「今度こそは・・・」という気持ちがあるからなんですね。ギャンブルにはまっている人に「いつも負けてばっかなんだから、ちょっとは学習したら?」などと言わないでください。学習してるからはまってるんです。
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